2015-01-01から1年間の記事一覧

近い将来起こるべき消費者自身の欲求の変化

人間は「時代精神」の中で生き、ごく少数の限られた人だけが「時代」の壁を超えられるという。二一世紀の消費者行動を考える際には、これまでの歴史的な社会・経済の動きを大雑把に鳥瞰しておくことは重要である。消費行動の変化は人間が中心であるために、…

物質的「豊かさ」の限界

現代は、科学技術の「意味が見えにくくなってい」て、「とくに先進諸国ではもうあまり科学技術の成果に期待しない」時代だとは、それでは、いったいどういうことなのだろうか。おそらくそれは、まず第一に、学問がますます細分化・専門化して、ひとつの専門…

地球経済の諸要因

この石油ドルは主として、長期的には、アメリカ、イギリスの政府証券、対工業国投資、国際機関・発展途上国融資、短期的にはユーロ市場や上交国預金の形で運用された。OPEC諸国は、第四次中東戦争、イラン革命の政治的変動を利用して、生産国カルテルの…

「現在価値」の発見

さて、いま一つの方向は、いわゆるデリバティブによるヘッジの考え方である。つまり、リスクを構成している要因と同じように不規則に変動する金融商品が見つかれば、それを使ってリスクをヘッジすることができる。たとえばある銘柄の株式に投資するとして、…

対米協調最優先の日本外交

従って、今日の国際社会にとっての重要な問題は、いかにして大国、強国の国家的エゴイズムの自己主張を抑えるか、そしてそれによって秘密外交の温床をいかにして取り除くかという点にこそあると思われる。そしてこの問題を考える上で重要な地位を占めるのは…

構造不況業種の整理

この時期の景気回復は長くは続かなかった。従来型の財政・金融政策による景気刺激策がスタグフレーション(不況下での物価上昇)の激化を生み出すことによって、世界経済は早くも七八〜七九年にかけて変調をきたし、第二次オイル・ショック後の八〇年代初頭…

創造性や勇気ある秀才が激減

なぜ、日本人や日本社会は「人材を評価する」ということができないのだろうか。様々な理由が考えられるが、経験上、最も大きな理由として思うことは、日本人の「お上頼み意識」の強さである。誤解なきように言うが、これは日本人が役所や公務員を尊敬・信頼…

市場慣行・取引所会員資格の有無などの問題

株式売買手数料自由化の動きにしても、すでに七五年五月一日の米国のメーデー、八四年四月一日の豪州、八六年一〇月二四日の英国のビック・バンと実施が拡大され、株式市場の時価総額が世界一となった日本でも遠からず、この開放化はやむにやまれず導入され…

不安定で流動的な雇用

昨今の雇用情勢の特徴として、真っ先にあげられるのが「不安定さ」「流動性の高さ」である。かつての日本では正社員・終身雇用体㈱が維持されていたので、働く場所は非常に安定していた。「これから先も職場があるだろうか」と心配している人などまずいなか…

総会の権限が相対的に薄れてきた

一九五〇年十一月に採択された有名な「平和のための結集決議」は、安保理常任理事国の一致が得られない場合は、総会に問題を付託し、総会が開かれていない場合は理事国七力国(現在は九力国)の賛成による要請か、加盟国の過半数の要請で、緊急特別会期を開…

奇妙なほど頻繁に「天皇」や「皇室」が持ち出されるようになっている

最近日本の政治に、奇妙なほど頻繁に「天皇」や「皇室」が持ち出されるようになっている。警戒されねばならない動きである。新任首相が、「宮家に挨拶回り」する。あるいは解散・総選挙の時期について、与党幹部が「天皇欧州訪問中にはできない」と言ったり…

平成金融恐慌

長銀問題とはシンクロ(同時並行)する形で、円安の急進を中心とした「日本売り」が加速していた。九八年六月十二日の東京市場では株、債券、円のトリプル安に発展。円相場は七年ぶりに一ドル=百四十円半ばまで下落し、株価は日経平均が一万五〇〇〇円台を…